P4 東京国立博物館蔵
(読み)
てい主 役 人 両 人 者かまを者き挨 拶 ヲ春
ていしゅやくにんりょうにんはかまをはきあいさつをす
我 等申 ニハ岩 国 滞 畄 中 毎 \/お料 理ニ肴
われらもうすにはいわくにたいりゅうちゅうまいまいおりょうりにさかな
ありて殊 ノ外 あき者て難ン義い多し申
ありてことのほかあきはてなんぎいたしもうす
夫 故 喰 事ニハ決(ケツ)して魚 類 無用 なりと
それゆえしょくじには けっ してぎょるいむようなりと
断 リ申 故皿(ヒラ)尓玉 子を湯出(ユテ)多るをあし
ことわりもうすゆえ ひら にたまごを ゆで たるをあし
ろふ能ミ其 夜ハ心 持 能ク寝(イネ)けり
ろうのみそのよはこころもちよく いね けり
廿 八 日 天 氣よし今日 も両 人 能者 出て
にじゅうはちにちてんきよしきょうもりょうにんのものでて
てゐ袮以尓尊敬(ソンキヨウ)春故 尓画を認 メ可申 と云 け
ていねいに そんきょう すゆえにえをしたためもうすべしといいけ
連ハ夫 ハありか多き事 なりとて唐 紙 持 来
ればそれはありがたきことなりとてからかみもちきた
里希れハ画かく筆 ハ荷物 能内 ニあり出(タス)毛
りければえかくふではにもつのうちにあり だす も
(大意)
略
(補足)
「毎」のくずし字は、上部の「ノ一」の「一」がほとんどなくなってしまうような形。
「断」のくずし字。部首は斤部(おのづくり)でその左側の部分「L」+「米」のくずし字は「己」のようになって、とても特徴的です。
「寝(イネ)」、『い・ぬ 【寝ぬ】(動ナ下二)〔名詞「寝(い)」と動詞「寝(ぬ)」の複合した語〕寝る。眠る。「旅衣八つ着襲ねて―・ぬれども」〈万葉集•4351〉』
「廿八日」、天明8年9月28日。西暦1788年10月27日。
ここでの会話も、いつもながら映像で見るように活写されていて、味わい深い。
江漢さん、魚は喰い飽きたから絶対に出さないでくれと、強い調子で断りをいれています。まぁ正直というかわがままというか、もてなすほうにとっては助かるかもしれませんけど。ゆで卵がおもてなしごちそう料理。なんか愉快♪
しかしながら、江漢さん満足したようで夜はぐっすり寝ることができました。
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