2023年12月31日日曜日

人間一生胸算用 その41

P17P18 国立国会図書館蔵

P17

(読み)

「口 可゛いふ

 くちが いう


与い可ら

よいから


きゝづめで

ききづめで


口 可゛いつそ

くちが いっそ


すく

すく


奈川多

なった


志可し

しかし


於れ可ら

おれから


さきへ

さきへ


生 れ多

うまれた


可ら

から


しやれ

しゃれ


させ

させ


てハ

ては


まけハ

まけは


し奈い

しない


女 郎 「飛きやう奈

じょろう ひきょうな


志川

じっ


として

として


ゐ奈んし

いなんし

(大意)

口が言う、「宵から喋りっぱなしで、口が酸っぱくなった。しかし、口から先に生まれたのだから、洒落では負けるわけにいかぬ」。

女郎「意気地がないねぇ、じっとしていなんし」。

(補足)

「生れ多可ら」、「れ」は変体仮名「礼」としてもよさそう。

いつもながら、会話は頁ごとにすすめているので、前後がうまくつながりません。

 口のニタリ顔が、酸っぱくなるまで喋りっぱなしのようにはみえない。

 

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