2023年12月28日木曜日

人間一生胸算用 その38

P17P18 国立国会図書館蔵

P17

(読み)

ミ奈\/

みなみな


申  个るハ

もうしけるは


本ん

ほん



き可゛

きが


つ可

つか


奈ん

なん


多゛


じょ


ろう


可い尓

かいに


かんじんの

かんじんの


手可゛

てが


なくてハ

なくては


奈ら須゛のもりの

ならず のもりの


於奈可゛とりと

おなが とりと


ミ奈とり\/尓

みなとりどりに


申  个れハ

もうしければ


きハ

きは


なる本どと

なるほどと


思 ひ

おもい


さつそく

さっそく


手を

てを


よび尓やる

よびにやる


そも\/

そもそも


手といふ

てという


やつ可゛つ可ハれる

やつが つかわれる



可りて

かりで


あまり多のしミの奈き(もの由へ)

あまりたのしみのなき ものゆへ

(大意)

 皆が言うには「ほんとうに気がつかなんだ。女郎買いに肝心の手がいなくては、ならずの森の尾長鳥」と、みなてんでに言うと、氣はなるほどとおもって、早速、手を呼びにやった。そもそも手というやつは使われるばかりで、あまり楽しみのない者ゆえ

(補足)

「女郎」、「郎」のくずし字は「戸」+「巾」、

「奈ら須゛のもり」、もとは京都は下鴨神社「糺(ただす)の森」。言葉遊び。このあとも続けて「ミ奈とり\/尓」と洒落ている。そして、屏風絵にも鳥を描き、洒落づくし。

「者可りて」、濁点「゛」を付け加えて、読めました。

 三枚重ねのこの布団、「三つ蒲団」というそうで、なじみ客に買わせます。生地は絹で百両するものもあったとか。四隅を絞って房のようにして、相撲の天蓋の房のように色がことなっていたのかも。

 

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