P5P6 国立国会図書館蔵
P5
(読み)
此 ものどものこしへ一トすじツゝの
このものどものこしへひとすじずつの
な王をつけあるじの心 これを志つ可と
なわをつけあるじのこころこれをしっかと
志めくゝ里ゐて手をうこ可さんとする
しめくくりいててをうごかさんとする
時 ハ手の奈王を由るめあ由まんと
ときはてのなわをゆるめあゆまんと
する時 ハあしの奈王を由るめミ奈\/
するときはあしのなわをゆるめみなみな
心 の下知尓志多可゛川て者多らく
こころのげちにしたが ってはたらく
事 うつ可ひのごとくさるまハ
ことうつかいのごとくさるまわ
しのごとし心 の
しのごとしこころの
こまの
こまの
多づ奈
たずな
由る
ゆる
す奈
すな
とハ
とは
こゝの
ここの
事 也
ことなり
(大意)
この者どもの腰へ一本ずつ縄を縛りつけ、あるじである心はこれをしっかりと握っていて、
手を動かそうとするときは手の縄をゆるめ、歩もうとするときは足の縄をゆるめる。
みな心の指示にしたがって働くさまは、鵜使いのようでもあり猿回しのようでもある。
心の駒の手綱を許すなとは、このようなことをいっているのである。
(補足)
「一トすじ」、「ト」の「ヽ」がありませんが、多分片仮名の「ト」ではないかと。
「な王をつけ」、平仮名「な」をつかうときもあれば「奈王を由るめ」のように変体仮名のときもあります。
「志めくゝ里ゐて」、一文字一文字判別するのが難しいところです。
「多づ奈由るす奈」、「許す」としましたが、緩(弛)(ゆる)めるなの意もあろうかとおもいます。
0 件のコメント:
コメントを投稿