P3P4 国立国会図書館蔵
P4
(読み)
「ハイ飛へ
はいひえ
もの
もの
で
で
ござい
ござい
ご
ご
めん
めん
奈さい
なさい
「いま\/しいや川多゛
いまいましいやつだ
於れ可゛事 を
おれが ことを
くそのやふ尓
くそのように
いやア可゛る
いやぁが る
くさめ\/
くさめくさめ
「於ら可゛と奈りの京 傳 ハ
おらが となりのきょうでんは
さりとハ遍゛ら本う奈男 多゛
さりとはべ らぼうなおとこだ
又 四五日 出天うちへかへらぬさふ多゛
またしごにちでてうちへかえらぬそうだ
者゛可尓つける
ば かにつける
く春る可゛奈いとハ
くすりが ないとは
よくいふ多ものじや
よくいうたものじゃ
と奈りのせんきで
となりのせんきで
アゝづ徒う可゛する
ああずつうが する
(大意)
「はい、ひえものでござい。ごめんなさい」
「いまいましいやつだ。おれのことを糞のように言いやがる。
へくしょん、へくしょん」
「おれの隣の京伝はまったくとんでもない男だ。また、4,5日出かけて家に帰らぬようだ。
馬鹿につける薬がないとはよく言ったものじゃ。隣の疝気で、あぁ頭が痛い」
(補足)
「ハイ飛へものでございごめん奈さい」、湯屋の風呂に入るときにまわりの人にことわる言葉と、ものの本にはありました。京伝が無二郎の中に入っていくところを洒落た。
「於れ可゛事を・・・」、京伝がまさに無二郎の中に入ろうとしてるそのとき、無二郎がひとりごとで京伝のことをひどくいっているのをきいて、怒っている。
「四五日」、「一二・・・十」のくずし字を学ぶのは必須です。その中で「五」は特徴的なのでおぼえやすいのですが読めないことがおおいのもこれです。「乙」のように筆をはこんで最後はそのまま左上に「S」を下からなぞるようにしてその上部で右回りに下へながします。
「づ徒う」、変体仮名「徒」「津」のどちらなのか迷うことがおおい。
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