2023年12月21日木曜日

人間一生胸算用 その31

P13 国立国会図書館蔵

(読み)

「あらひこいも

 あらいこいも


多゛し

だ し


ましやう可

ましょうか


「氣ハミふきやう个ん尓

 きはみぶきょうげんに


きつ年の付 多やう奈

きつねのついたような


手つきをして

てつきをして


於ど連バ口 ハ

おどればくちは


こけ可゛心学(しん可く)を

こけが    しんがく を


ならふやう尓

ならうように


ちや王んを多ゝひて者や春

ちゃわんをたたいてはやす


「何 可ら

 なにから


くハふ可

くおうか


小娘  可゛

こむすめが


ごふく

ごふく


やへ

やへ


い川多

いった


やふ尓

ように


い川そ

いっそ


目うつり可゛

めうつりが


する

する

(大意)

「洗い鯉もだしましょうか。

氣は、壬生狂言をまねて狐の付いたような手つき身振りで踊り、

口は、愚かなものたちが心学を習うときのように、茶碗をたたいてはやしたてている。

「何から食おうか。小娘が呉服屋へ行ったときのように、ますます目移りがする。

(補足)

「氣ハミふきやう个ん尓」、「ハ」が「氣」とひとつになっていて読めません。そのあとも、読めても「壬生狂言」とはとんとわからず。

 口の上唇を目のように描いている、このような人がいそうなきがしてちと不気味。

 

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