P14 国立国会図書館蔵
(読み)
それよりきハいよ\/
それよりきはいよいよ
き可゛それめ尓もうつくしひ
きが それめにもうつくしい
ものをミせ者奈尓も
ものをみせはなにも
可け可うのあ多゛奈
かけごうのあだ な
尓本ひを可ゞせんと
のほいをかがせんと
与び尓やり中 ノ丁 の
よびにやりなかのちょうの
夕 けしきをミせ个れハ
ゆうげしきをみせければ
目口 者奈三 人 よつて
めくちはなさんにんよって
本゛んぶのちゑを出し
ぼ んぶのちえをだし
きをすゝめて中 で
きをすすめてなかで
い川ちう川くしひと
いっちうつくしいと
於本しき於いらんを
おぼしきおいらんを
志まひ尓やる
しまいにやる
(大意)
そののち、氣はますます気が浮かれ、目にも美しいものを見せ、鼻にも色っぽいいい匂いをかがせようと、ふたりを呼びにやり、吉原の中の町の夕景色を見た。
目・口・鼻はさんにんよって、凡夫の知恵を出し、氣をおだてて、吉原の一番美しいとおぼしき花魁をお座敷にかけさせた。
(補足)
「い川ちう川くしひ」、「い川ち」で区切りとわかるまでしばしかかりました。
「志まひ尓」、『㋓ 遊里で,遊女を買い切る約束などをして,ほかの客の所へ出さない。「今夜あ―・つて居て呼びにやるべえと思つた所い来さつた」〈洒落本・道中粋語録〉』とありました。
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