P7 国立国会図書館蔵
(読み)
七 十 五日 いきのひると
しちじゅうごにちいきのびると
申 ますと春ゝむれども
もうしますとすすむれども
心 ハ希つしてうけ可ハ須゛
こころはけっしてうけがわず
こ連てハ無二郎 可゛身の
これではむじろうが みの
行 すへ万 代 もさ可へ遍゛く
ゆくすへまんだいもさかえべ く
多のもしくミへ个り
たのもしくみへけり
ミゝ尓もろ\/のふしやうを
みみにもろもろのふじょうを
きい天心 尓もろ\/のふしやうを
きいてこころにもろもろのふじょうを
思 ハ須とハこの者゛志よなり
おもはずとはこのば しょなり
(大意)
七十五日は生きのびると申します」と申し勧めたのだが、心は決して承知しなかった。
これでは、無二郎の身代の将来はきっと何世代にもわたって栄えことだろう、頼もしいことである。
「耳に諸々の不浄を聞いて、心に諸々の不浄を思わず」とは、まさにこの国この場所である。
(補足)
「心ハ希つして」、変体仮名「希」(け)は形の変化の幅がおおきく、これ一文字だけだと読めるかどうか自信がありません。
「ミゝ尓もろ\/のふしやうを・・・」、六根清浄祓詞。「六根」とは「眼、耳、鼻、舌、身、意」のことで、ここの登場人物たちと重なります。
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