P9 国立国会図書館蔵
(読み)
口 「すじを奈可
くち すじをなが
やき尓して
やきにして
尓者゛ちやて
にば ちゃで
さつと
さっと
ちや
ちゃ
づり
づり
多い
たい
き「てん
き てん
しやう可゛
じょうが
二し由可
にしゅか
さんし由の
さんしゅの
でいり多゛
でいりだ
のみこミ
のみこみ
\/
のみこみ
者奈「者んとうさん於まへ
はな ばんとうさんおまえ
そこを於川をちよくらを
そこをおつをちょくらを
いひ奈せへ奈
いいなせえな
この尓本ひを
このにおいを
可い天゛
かいで
こ多へ
こたえ
ら連る
られる
毛の可
ものか
(大意)
口「あの鰻一本を長焼きにして、煮葉茶でサッと茶づりたい」
氣「高くても二朱か三朱の出費だ、大丈夫大丈夫」
鼻「番頭さん、お前そんな調子のいいこと言わないでおくれ。こんな匂いをかいで我慢できるものか」
(補足)
鼻はサキッチョが氣の頭にふれ、口は氣を口説こうとカチカチ言わせて、氣はやや逃げ腰です。
心(腰に刀をさしています)の頭のまわりの金豚雲のようなものが気になっていたのですが、ようやくわかったような気がします。不動明王、つまりお不動さんです。心の迷い・煩悩を取り除き救ってくれるのです。揺るがない守護者(心)です。不動明王の後背は炎のように立ち上がっています。無二郎は芸者にぐらつかず、鰻の蒲焼きにも見向きもしません
版心が「む奈さん用」とあり、丁付けは「五」とあります。「用」のくずし字は一画目の縦棒がない形で、両や南など囗の下の横棒がない形の漢字もみな似たようなくずし方になります。
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