P17P18 国立国会図書館蔵
P18
(読み)
ところといろ\/いやらしミを
ところといろいろいやらしみを
いひ可く連バ女 郎 も大 じんと
いいかくればじょろうもだいじんと
ミ多る由へ志よくハい可ら
みたるゆえしょか いから
於もしろ於可しくもて奈し
おもしろおかしくもてなし
すへハ大 くせ川と奈り
すえはだいくせつとなり
もしへまこと可゛あらハ本り
もしへまことが あらばほり
ものをし奈んしヨとい王れ
ものをしなんしょといわれ
きハぐ川とのろく奈り
きはぐっとのろくなり
本るき尓奈り个れバむざんや
ほるきになりければむざんや
手ハせ奈可へ奈尓可゛し
てはせなかへなにが し
一 心 命 と
いっしんいのちと
古風尓奈可めいを
こふうながめいを
本ら連る
ほられる
(大意)
(「ここがおれの口のうまさのみせ)どころ」と、いろいろ口説き文句を並べれば、女郎もお大尽と見てくれたためか、初回から面白おかしくもてなし、とうとう熱くせまってきて「もしぇ、誠があるなら彫り物をしなんしょ」といわれ、氣はすっかりその気になって彫る気になってしまった。無残や、手は背中に「某(なにがし)一心命」と古風に長銘を彫られてしまった。
(補足)
「のろく奈り」、『③ 異性に甘い。異性の魅力に弱い。「なぜあの女に―・くなつたらう」〈滑稽本・浮世床•初〉』とありました。
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