P7 国立国会図書館蔵
(読み)
此 於りふし於もてを
このおりふしおもてを
者つ可川本\/ と
はつがつおはつがつおと
与んで通 り个れハ
よんでとおりければ
者やくもミゝハ
はやくおみみは
きゝつ希口 ハ
ききつけくちは
むしやう尓くひ
むしょうにくい
多可゛り者んとうの
たが りばんとうの
気をそゝの可し
きをそそのかし
个れハ氣ハもと与り
ければきはもとより
すこしう可れ
すこしうかれ
もの由へ心 尓申 个るハ
ものゆえこころにもうしけるは
もし多゛ん奈
もしだ んな
思 ひ
おもい
き川天
きって
者川
はつ
可川本を
がつおを
お可ひ奈されぬ可
おかいなされぬか
(大意)
ちょうどそのとき、表を「初鰹はつがつお」と呼んで(魚屋が)通ると、
はやくも耳はそれを聞きつけ、口は無性に食いたがり、番頭の気をそそのかしている。
氣はもともと少し浮かれものなので、心に「もし旦那、おもいきって初鰹をお買いなされぬか。
(補足)
「きゝつ希」、変体仮名「希」(け)がやけにデカイ。
当時、江戸の初鰹は鎌倉でとれたものだったそうです。
「鎌倉を生きて出でけん初鰹」(松尾芭蕉)
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