P11P12 国立国会図書館蔵
P11
(読み)
「さて
さて
ミ奈\/
みなみな
のそミの
のぞみの
まゝ尓
ままに
心 を於ひ出し
こころをおいだし
心 こゝ尓
こころここに
あらされハ
あらざれば
者゛んとうの
ば んとうの
氣ハ多れ
きはだれ
者ゝ可ら須゛きまゝ
はばからず きまま
をしてつい尓
をしてついに
無次郎 可゛から多゛を
むじろうが からだ を
於う里やうし个れハ
おうりょうしければ
是より無状(むじや)
これより むじゃ
無象國(むざうこく)大 キ尓ミ多゛れ个る
むぞうこく おおきにみだ れける
「氣可゛いふ本ん尓
きが いうほんに
口 尓も久 しく
くちにもひさしく
土用 可゛入 るまひ
どようが はいるまい
いつでもかんの内 多゛らふ
いつでもかんのうちだ ろう
(大意)
さて、皆々、望んだ通りに心を追い出し、心は浮かれ気味である。
番頭の氣は誰はばからず気ままにすごし、とうとう無次郎の体を乗っ取ったため、このときより無状無象国は大いに乱れた。
「氣がいう。ほんに、口も久しく土用の鰻も食っていなかろう。これからはいつでも寒の内だろうよ。
(補足)
斜めの波線はいわば回り舞台。
「久しく」、最初「可へ」と読んでしまいました。
「寒の内」、寒の内(1月5日〜2月2,3日頃)には寒さをしのぐために魚肉累を積極的に食べた、とありました。
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