P11P12 国立国会図書館蔵
P12
(読み)
「ミ奈\/
みなみな
き尓
きに
於者むきをいふ
おはむきをいう
「アノやうな
あのような
けち奈心 を
けちなこころを
ミ多事 可゛ござりませぬ
みたことが ござりませぬ
あい川者
あいつは
一 万 年 も
いちまんねんも
いきる心 で
いきるこころで
ごさりませ ふ
ござりましょう
「口 可゛いふ王多くしも朔 日 十 五日 尓
くちが いうわたくしもついたちじゅうごにちに
やう\/やすひもの一 まひツゝ
ようようやすひものいちまいずつ
堂べるより本可百 五十 する
たべるよりほかひゃくごじゅうする
ときも可ツ本奈ぞハ可い多゛
ときもかつおなぞはかいだ
事 もござりません者多らき
こともござりませんはたらき
のある袮こ尓ハ
のあるねこには
於とりさ
おとりさ
「於まへの事 をハきんじよの
おまえのことをばきんじょの
むすこ志 うもきのきい多
むすこしゅうもきのきいた
於人 多゛と可げで本めます
おひとだ とかげでほめます
(大意)
皆々、氣のご機嫌をとる。
「あのようなけちな心をみたことがござりませぬ。あいつは一万年も生きる心でございましょう。
「口がいう。わたしも月二回一日と十五日に、やっと、安い干物を一枚ずつ食べるほかは、
百五十文と安くなった鰹なぞ匂いもかいだことはありません。働きのよい猫にも劣ります。
「おまえのことは近所の息子衆も、気の利いたお人だと、陰でほめています。
(補足)
「堂べるより本可」、変体仮名「堂」(た)はあまりみません。
氣の右手に持っているのは灰吹、吸い殻を吹きおとしたり、たたき入れたりします。口は煙管をもて遊び顔は入れ歯状態。
鼻は鼻毛を出すほど鼻息荒くふんぞりかえり、耳はおべっかにいそがしそう。
うしろの間仕切り屏風、疫病神じゃないしなんでしょう?
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