2024年1月1日月曜日

人間一生胸算用 その42

P17P18 国立国会図書館蔵

P18

(読み)

「於れ可゛

 おれが


ひきやうより

ひきょうより


てめへ多ち可゛

てめえたちが


飛きやう

ひきょう


者゛可尓

ば かに


するの多゛

するのだ


「アゝい多ひ\/

 ああいたいいたい


き うさい

きゅうさい


きらひてすへぬ

きらいてすえぬ


ものを奈んの

ものをなんの


こ須とも

こずとも


与可つ多に

よかったに


「名を本つて

 なをほって


血(ち)可多

  ち かた


まるとハ

まるとは


於れ可゛

おれが


せ名可の

せなかの


事 多

ことだ

(大意)

「おれが弱っちいんじゃねぇ、てめえたちがそうさせてんじゃねぇか」

「アァ、痛いいたい、灸だって嫌いですえぬものなのに、何もわざわざやって来ることはなかったな」

「名を彫って血固まるとは、おれが背中のことだ」

(補足)

「飛きやう者゛可尓」、「ばか」は『(副助)〔「ばかり」の転。近世江戸語〕① おおよその程度を表す。ぐらい。「七日―なんのこつたと女房いひ」〈雑俳・俳風末摘花〉② 限定の意を表す。だけ。「あたま―入れてくんなと俄雨」〈誹風柳多留•87〉』とありましたが、う〜ん・・・

「名を本つて・・・」はもちろん「雨降って地固まる」の洒落。

 

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