P20 国立国会図書館蔵
(読み)
かのあさ可へりの時
かのあさがえりのとき
あしの思 ひ个るハ
あしのおもいけるは
ミん奈
みんな
外 の
ほかの
手やいハ
てやいは
それそう
それそう
をう尓多のしミ可
おうにたのしみが
あ連ど王れハ
あれどわれは
本年を於る
ほねをおる
者可りで
ばかりで
於もしろひ
おもしろい
事 ハち川とも
ことはちっとも
なし
なし
せめて
せめて
く多ひれ
くたびれ
をやす
をやす
めんと
めんと
き尓袮多゛つて
きにねだ って
王れひとり
われひとり
きんせんと
きんぜんと
かこ尓
かごに
の川て
のって
可へる
かえる
(大意)
あのときの朝帰りに、足がおもったのは「みんなほかのやつらは、それ相応に楽しんだのに、おれはひとの世話ばかりしていて、面白いことはちっともねぇ。せめて疲れをとりたい」と、氣にねだって、自分だけ楽しげに駕籠にのって帰る。
(補足)
「王れひとりきんせんとかこ尓の川て」、「欣然と」なんて、めったにおめにかかれる言い回しではありません。
文章は全般に読みやすい。
足も加わり、目口鼻耳手と氣と全員勢揃い。足は呼ばれてみなを連れて帰ろうとしたのに足が駕籠に乗って帰るというバカバカしさ・・・
駕籠かきふたりの様子が妙に現実感がある。駕籠の座面の籠や竿に吊るす竹と座面の拵えがこれまた丁寧に描かれています。
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