P24 国立国会図書館蔵
(読み)
「口 をつれて
くちをつれて
こぬ可ら
こぬから
手ハ多ゞ
てはただ
多んまりて
だんまりで
多ゝき
たたき
あふ
あう
「これ\/のど可゛つまるマア者奈してくれま和多で
これこれのどが つまるまあはなしてくれまわたで
くびを志めるとハきい多可゛
くびをしめるとはきいたが
王里やア者多可で
わりゃぁはだかで
くびを志める奈
くびをしめるな
「可多奈ハぶしの
かたなはぶしの
多満しゐでバ本う
たましいでばほう
て うハきをひの
ちょうはきおいの
多満しゐ多゛
たましいだ
かくごう
かくごぉ
しやア可れ
しやぁがれ
(大意)
「口を連れてこなかったので、手はただ、だまったままたたきあう。
「これこれ、喉がつまる。あぁ放してくれ。真綿で首を締めるとは言うが、わりゃぁ、裸で首をしめるな。
「刀は武士の魂、出刃包丁はおとこぎの魂だ。覚悟しやぁがれ。
(補足)
「きをひ」、『きおい きほひ 【競ひ・勢ひ】② 威勢がよいこと。勇ましいこと。俠気。「贔屓(ひいき)の―手打の連中」〈滑稽本・根南志具佐〉』とあり、「俠気」に『おとこぎ をと―【男気・俠気】男らしい性質・気持ち。自分の損得を顧みず弱い者のために力を貸す気性。義俠心。俠気。 ↔女気。「―のある人」』とありました。
「王里やア」、変体仮名「里」が長細いので二文字にみえます。
出刃包丁を握りしめる任侠の博打打ち、こういう出刃の握り方もあるのでしょうけど、自分に刃が向いているので心配、なので右肩を自分で刺しちゃったのか、血が激しくふいてます。
手は両手に加えて、首から上が5人分くらいのデッカイ握りこぶし、これじゃぁまわりはひとたまりもない、だまって殴り続けるやつが一番怖い。
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