P20 国立国会図書館蔵
(読み)
足 可゛いふ
あしが いう
「於いらハあそび尓くるよりハ
おいらはあそびにくるよりは
うちでこ多つへふんごんで
うちでこたつへふんごんで
のひ\/としてゐたひ
のびのびとしていたい
手可゛いふ
たが いう
「あしをハ
あしをば
いつでもかご尓
いつでもかごに
のせる可゛いゝ
のせるが いい
ひよつといぬの
ひょっといぬの
くそでもふむと
くそでもふむと
於れ可゛ふいてやらねハ
おれが ふいてやらねば
奈らぬ
ならぬ
可ら
から
於そ
おそ
連る
れる
(大意)
足が言う、「おいらは遊びに行くよりは、家でこたつにつっこんで、のびのびとしていたい」。
手が言う、「足をだな、いつでも駕籠に乗せたほうがいい。うっかり犬の糞でも踏むと、おれがふいてやらねばならなくなるから、心配なのだ」。
(補足)
「あしをハ」、「し」が「を」にながれているので変体仮名「多」のようにみえてしまいます。
手が言う台詞部分、変体仮名は「尓」「可」「連」と「留」ぐらい。あとは現在とおなじひらがなで、パッと見た目はいまどきの漫画の台詞とかわりません。
氣がかぶっているのは亀屋頭巾(かめやずきん)『頭からすっぽりかぶり,目だけを出した黒縮緬(くろちりめん)の頭巾。江戸中期,大坂の人形遣いが用い始めた。竹田頭巾』というもので、吉原遊びを誰かに見られないようにするのと朝帰りが恥ずかしいから、とものの本にはありました。
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