2024年1月9日火曜日

人間一生胸算用 その50

P21P22 国立国会図書館蔵

P22

(読み)

そ奈多ハそん奈

そなたはそんな


心  でハ奈可つ多可゛

こころではなかったが


き可゛ち可ふ多可

きが ちごうたか


マアふ多於やのくろう尓

まあふたおやのくろうに


されるをち川とハ

されるをちっとは


つもつてミ多可゛いゝと

つもってみたが いいと


此 やう奈事 をいつても

このようなことをいっても


とてももちひハ

とてももちいは


せまひ

せまい


いし本とけ尓

いしぼとけに


ぐ王んを

が んを


かける

かける


やう奈

ような


ものじや

ものじゃ

(大意)

「そなたはそんなひとではなかったが、気がふれたか。まぁふた親の苦労されてきたことをちっとはおもいやってみるがいいと、このようなことを言っても、とてもは聞き入れまい。石仏に願を掛けるようなものじゃ」

(補足)

「マアふ多於やの」、変体仮名「多」は彫り間違いでしょうか。

「いし本とけ尓ぐ王んをかける」、馬の耳に念仏とおなじ。

 うしろの屏風に「登櫻萬里」。また火鉢の模様は筆で描かれた模様ではなく、粘土を盛って飾りつけたようにみえます。どうやら、「於者゛さ満」はお金も教養もあるようです。

 

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