P2P3 国文学研究資料館蔵
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(読み)
これハいつ連もごきどく
これはいずれもごきとく
尓こさん个い奈され多
にごさんけいなされた
それつら\/於もんミれハ
それつらつらおもんみれば
む可しより由う里を
むかしよりゆうりを
こくらくと見多て大 門 口ハ
ごくらくとみたておおもんくちは
とう門 とし太夫 の
とうもんとしたゆうの
あげや入りハさん
あげやいりはさん
ぞんの御らい
ぞんのごらい
可う大 じんの
ごうだいじんの
ふところハ
ふところは
王うごんの
おうごんの
者多゛へ
はだ へ
奈どゝ
などと
多と由れ
たとゆれ
とも
ども
それハきやくの
それはきゃくの
里やう个ん尓て
りようけんにて
女 郎 の心 尓ハ
じょろうのこころには
中 \/こくらくの
なかなかごくらくの
(大意)
「これはこれは皆々様方、わざわざお越しくだされありがたや。さて、よくよく考えてみたことをおはなししよう。昔より、遊里を極楽とみたて、遊里の正面入口である大門口を寺の東門とした。太夫が揚屋に入ることは三尊の御来迎に、金持ちの懐は女郎の黄金の肌などとたとえたのであるが、それは客の料簡というものだ。女郎のこころうちではそんなのは極楽の(雪隠(便所)にもなりゃしない)
(補足)
長柄杓を持っている者は聴衆の間を回って聴聞代を集めている。
わたしが幼稚園代わりに通った日曜教会では説教がおわると、黒いベルベットの集金袋のようなものを持った人が回ってきました。お布施を集めるためなのでしたが、貧乏な我が家ではそれもなく、こども心に困り果て、中の小銭を手にしてそれを音がするようにチャリンとさせごまかしました。
そのうちに悪心芽生え、手にした小銭をそのまま握ったままにして、ありがたやありがたやアーメンと感謝して自分のポケットへ忍び込ませたりもしました。かえりに駄菓子屋で糸付きの飴を買いました。甘くて苦い味でした。
家につくと、わたしの舌が赤いのを見てとったのか、お前舌をえぇ〜としてごらんといわれ、さらに息をはぁ〜としてごらんといわれ、すべてバレてしまいました。
それからは日曜教会へ行ときは5円玉を持たせてくれるようになりました。
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