P25P26 国立国会図書館蔵
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(読み)
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口 可゛いふ
くちが いう
「於らァいつそもとでを
おらぁいっそもとでを
くめんしてち川と
くめんしてちっと
き多ねへ可゛こま
きたねえが こま
ものミせでも
ものみせでも
多゛すべい
だ すべぇ
「ナニサ飛゛く\/
なにさび くびく
さ川しやん奈
さっしゃんな
うしろ尓やア
うしろにゃあ
此 者奈可
このはなが
飛可へて
ひかえて
いる
いる
「あし可いふ
あしがいう
こんやハとん多゛
こんやはとんだ
さふひ者ん多゛
さぶいばんだ
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多ひを可ふつて
たびをかぶって
くれハよ可つ多
くればよかった
於れもこれ可ら
おれもこれから
かゝとで
かかとで
きんちゃくでも
きんちゃくでも
きらねハ
きらねば
ならぬ
ならぬ
(大意)
口が言う、「おらぁ、いっそ、もとでを工面して、ちっときたねぇが、小間物店でもだすべぇ。
「なにさ、ビクビクしなさんな。うしろにゃ、この鼻がひかえている。
「足が言う、今夜はとんだ寒い晩だ。足袋をかぶってくればよかった。おれもこれから、かかとで巾着を切らねばならぬ。
(補足)
「こまものミせ」、汚物を吐く、ゲロをする。
「ナニサ」、十二月もみえる。
「さふひ者ん多゛多ひを可ふつてくれハよ可つ多」、濁点がないので何度か読まないと理解できません。
「きんちゃくでもきらねハ」、スリのこと。
パッとしない言い回しが続きます。
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