2024年1月22日月曜日

人間一生胸算用 その63

P27P28 国立国会図書館蔵

P27

(読み)

これ心  のゆるむ由へ也

これこころのゆるむゆへなり


此 志奈をも川てミ奈\/

このしなをもってみなみな


の心  を多め奈をす

のこころをためなおす


べしと何 可三 つ

べしとなにかみっつ


のものを

のものを


さづけ給ふ

さずけたまう


「こゝで

 ここで


いち者゛ん

いちば ん


志川多り

しったり


ふり尓

ぶりに


ちんふん可んを

ちんぷんかんを


いひ多い

いいたい


事 ハ

ことは


山 本と

やまほど


あ連ど

あれど


うつ多ろうと

うつだろうと


思 川て

おもって


つまんでいふぞ

つまんでいうぞ


「ハイ\/

 はいはい


かしこ

かしこ


まりの

まりの


とろゝ

とろろ


しるさ

しるさ

(大意)

これは心がゆるむためにおこる。この品物を用いて皆々の心を鍛え直すとよい」と、何か三つのものを授けてくださった。

「ここで一番知ったかぶりをして、チンプンカンプンの言いたいことは山ほどあるが、わけがわからんだろうから、かいつまんで言うぞ

「はいはい、かしこまりのとろろ汁さ

(補足)

「さづけ給ふ」、「給」のくずし字はくるくるっと二回螺旋をかく。

「うつ多ろうと」、ここの「うつ」を辞書で調べるも、どうもおもっている説明が見つかりませんでした。

「かしこまりのとろゝしるさ」、芭蕉の「梅 若菜 丸子の宿のとろろ汁」の「まりこ」と「かしこまり」の洒落。この頃、松尾芭蕉の復活があったとものの本にありました。

 今年の正月は三日とろろを食べました。

 

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