2021年2月7日日曜日

豆本 金太郎山めぐり その9

P7

(読み)

[つゞき]

あ連

あれ


い多゛し

いだ し


けれバ

ければ


さるうさ起゛

さるうさぎ


奈どおそ連

などおそれ


尓げまどふを

にげまどうを


○☓尓うち

 にうち


ころせし

ころせし


とぞ[つぎへ]

とぞ


(大意)

(が)暴れまわったので

猿兎などは恐れ逃げまどい

ました。

○☓に打ち殺してしまった

とのことでした。

(補足)

変体仮名「連」(れ)が2ヶ所、平仮名の「れ」もあります。「おそ連」、「そ」の下がかすれて「ユ」にみえます。

合印◯☓は次頁からの続きです。

P6P7見開き

大イノシシの首から下も迫力満点、太くて荒い毛が鱗のようにも見えますがやはり獣の身体であります。見開きで見ると迫力倍増。猪のひずめの青が印象的です。猪と金太郎が動ならば左下の赤く紅葉したもみじは静。まわりにも散らばっています。

 

2021年2月6日土曜日

豆本 金太郎山めぐり その8

P6

(読み)

けりこのや満尓

けりこのやまに


としふ可く

としふかく


春む

すむ


いの志ゝ

いのしし


(大意)

(追い散らしま)した。この山に

長年住む猪(いのしし)


(補足)

 鬼退治の次は山の主のような大猪。金太郎に首根っこを押さえつけられて目をむいています。猪の荒く太い針のような毛並みがとてもリアルです。金太郎の後には黄色くなったもみじの葉があります。

「春む」、変体仮名「春」(す)は「十」+「て」or「す」+「て」のような形。

「いの志ゝ」、変体仮名「志」(し)、平仮名「し」との使い分けは気分次第の感じです。

 

2021年2月5日金曜日

豆本 金太郎山めぐり その7

P5

(読み)

[つゞき]

あま多の

あまたの


けものを

けものを


奈やませ

なやませ


志可バ△

しかば


△きん多らう

 きんたろう


たゞひとり

ただひとり


尓てさん\゛/尓

にてさんざ んに


おいちらし

おいちらし


(大意)

たくさんの獣(けもの)を苦しめたので

金太郎はただひとりで

ひどい目にあわせ追い散らしました。


(補足)

変体仮名「多」(た)が常用ですが平仮名「た」もあります。

「きん多らう」、ここの「ら」と「う」のようにはっきり見分けられればよいのですが、「おいちらし」の「ら」となると「う」にも見えます。まぁここは文章の流れで「ら」とすぐわかりますけど。

P4P5見開き

輪郭線がはっきりしています。佐藤新太郎の豆本は輪郭線が明瞭なのと、ササッとなぞった感じのがあります。お弟子さん達の癖で異なるのかもしれません。P4の根方の色は忘れてしまったよう。

逃げる化け物たちのの視線は全員金太郎に集中しています。金太郎の体からは覇気が発散、戦いの声がきこえてきそうです。

 

2021年2月4日木曜日

豆本 金太郎山めぐり その6

P4

(読み)

○●あるひ

 あるひ


や満をくへ

やまおくへ


さ満\/の

さまざまの


者゛けものいでて[つぎへ]

ば けものいでて


(大意)

ある日、山奥に

様々な化け物が出て


(補足)

 顔が紅潮するとはいいますが、全身マッカッカの金太郎、力士であります。

 

2021年2月3日水曜日

豆本 金太郎山めぐり その5

P3

(読み)

[つゞき]

けものを

けものを


あつめいろ\/

あつめいろいろ


のたハ

のたわ


む連を

むれを


奈して

なして


あそび

あそび


ける◯●

ける


(大意)

獣(けもの)を集め

いろいろな遊びをして

過ごしました。


(補足)

 怪力無双だけあってムキムキマッチョ怖いものなしの金太郎。

「たハむ連」、平仮名「た」は珍しく、ほとんどは変体仮名「多」(た)です。変体仮名「連」(れ)はよくでてきます。

P2P3見開き

 山の中のこんな場面をちょっとのぞいてみたい。

 

2021年2月2日火曜日

豆本 金太郎山めぐり その4

P2

(読み)

のこ尓きん多らうといふ●

のこにきんたろうという


●く王い

 かい


里起ぶ

りきぶ


そうの

そうの


こあり△

こあり


▽△あま多の[つぎへ]

  あまたの


(大意)

の子に金太郎という

怪力無双の子がいました。

たくさんの

(補足)

 文章を読む順序のために●、△などの印が文末に付いていますが頁をまたがることもあり、また[つぎへ][つゞき]となっているところもあります。記号は合印(あいじるし)などと呼ばれ、同じ記号の所へ続きます。

「のこ尓きん多らうといふ」「こあり」、に「こ」と「と」があります、似てるので注意です。2箇所に「う」がありますが最初のは「り」にもみえてしまいます。

「く王い里起」、一文字ずつ読めば「くわいりき」ですが現在では「かいりき」。「ぶそうの」、辞書で確かめたら「無双」(むそう)は(ぶそう)とも読むのでした。

平仮名「あ」はこの当時「お」から「丶」をとった形になります。

 狐の綱渡り、ぶんぶく茶釜でもたぬきがやっていました。傘に扇子は定番です。尻尾のフサフサ感がいいですね。

 

2021年2月1日月曜日

豆本 金太郎山めぐり その3

P1

(読み)

む可し

むかし


者こ

はこ


ねの

ねの


阿し

あし


加゛ら

がら


やま尓すむやまうバ

やまにすむやまうば


△つ禰尓

 つねに


や満を

やまを


可け

かけ


めぐりて▽△

めぐりて


(大意)

昔箱根の足柄山に住む山姥


つねに山をかけめぐりて


(補足)

 文章は頁をめくったP2とつながているので、上下で意味がちぐはぐになってます。

「者こ」の変体仮名「者」(は)が摺りがかけてしまってます。「十」+「て」のような形です。

「加゛ら」、変体仮名「可」ではなく「加」を使ってます。

「やま尓すむやまうバ」、「や満を可け」、「や」の形に注意。あとのは「ゆ」に似ています。また「う」と「可」にも注意、ほとんど同じで文章の流れから判断するのが一番です。

変体仮名「禰」(ね)、よく使われるのは「年」(ね)、他に「根」などがあります。上段では平仮名「ね」の「者こねの」です。また「ま」が上段では平仮名、下段では変体仮名「満」(ま)。

「やまうバ」とあるので、恐ろしい婆さんかとおもいきや、そんなことはありませんでした。おもちゃの魚が山の中なのに不思議です。全体に明るい色調です。