2021年12月30日木曜日

桃山人夜話巻四 その7

P4前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

ら須゛曽れ与りし天病  と奈り久 しく奈やミ个る可゛

               やまひ   ひさ

らず それよりしてやまいとなりひさしくなやみけるが


医療  越得天後 尓愈 多りされども子どもホ可゛家

ゐ里やう え のち いゑ      こ  ら  いゑ

いりょうをえてのちにいえたりされどもこどもらが いえ


尓ハ蛇 の多ゝ里春こしも奈可りし是 己 れ尓感 じ思

  へび            これをの  可ん 於も

にはへびのたたりすこしもなかりしこれおのれにかんじおも


ふ可゛故 尓応 し天来 れり求 めざれバ鬼神 といふ共

   ゆへ 於う  き多  もと    きしん   とも

うが ゆえにおうじてきたれりもとめざればきしんというとも


(大意)

(蛇は)見えなかった。それからしばらくして村長は病となり長い間苦しんでいたが

治療のかいあり、後に回復した。しかし蛇をなぶり殺した子どもたちの家

には蛇のたたりは少しもなかった。これは村長自身が恐れを感じてしまった

がために、それに応じてたたりが来たのである。求めなければ鬼神といえども


(補足)

 使われている漢字は比較的楷書に近く、漢字のくずし字があってもなじみのあるものなので読みやすい文章です。

 恐れを感じたり、暗闇に何かいるのではないかとおびえたり、自分の心のすきに鬼神はやって来るものなのだと説くのですが、ウーン。まぁそういうところもあるにはあるでしょう・・・

 

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