P17前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
第 廿 四赤 ゑいの魚
多゛以尓志゛うしあ可 うを
だ いにじゅうしあかえいのうお
安房の国 野嶋 可゛﨑 と以へる所 尓又六 佐吉 登
阿王 く尓のじ満 さき ところ ま多ろくさきち
あわのくにのじまが さきといえるところにまたろくさきちと
天婦多りの船 人 ありき王免天舩 の上 手奈里
せんどう ふ年 ぜう づ
てふたりのせんどうありきわめてふねのじょうずなり
个れバ風 波をもいと者須゛し天大 可多ハ出 帆 しつ
ふう者 於本 志由つ者゜ん
ければふうはをもいとわず しておおかたはしゅっぱ んしつ
る尓阿る時 大 船 尓うちの里个れバ難 風 尓てい
とき於本ぶ年 奈んぷう
るにあるときおおぶねにうちのりければなんぷうにてい
(大意)
第二十四赤えいの魚
安房の国の野島が崎というところに又六と佐吉という
二人の船頭がいた。きわめて船のあつかいがうまかった
ので風や波もかまわずにたいていは出帆していた。しかし
あるとき大きな船に乗っているときのこと、大風に吹かれて
(補足)
お歯黒べったりの顔が気になるところではありますが、今度は海のおはなし。
頁の中央を横断するように波形に虫食い?のような跡があって文字が欠けているところがあります。
「嶋」の「山」が上部に移動しています。下の部分のくずし字は「鳥」のくずし字と同じです。「山」があるのが「嶋」でないのが「鳥」。
「崎」or 「﨑」も「嶋」と同様で「山」が冠の位置になってます。
「婦多り」、「ふ多り」でいいじゃないかとおもっても変体仮名「婦」(ふ)。
「船人」で「せんどう」と読ませています。
「き王免天」、変体仮名「王」(わ)の中央が欠けて「こ」のようになってます。
「出帆」、振り仮名「者゜」が半濁音記号「゜」です。すぐ左の行の「難風」の「ぷ」も同様。
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