P18前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
こ奈るらん登ミ奈\/陸 尓上 り天人 家越もとむ
く可゛ 志ん可
こなるらんとみなみなくが にあがりてじんかをもとむ
連どもさら尓人 とてハ奈く只 見奈れぬ草 木
ひと 多ゝミ くさき
れどもさらにひととてはなくただみなれぬくさき
の岩 の上 尓茂 り天多 くの毛久春゛梢 尓可ゝ
い王 うへ しげ 於本 こ春え
のいわのうえにしげりておおくのもくず こずえにかか
里岩 のひま\゛/尓ハ穴 有 天流 越つ多へ魚 奈ど
い王 あ奈あり 奈可連 うを
りいわのひまび まにはあなありてながれをつたえうおなど
多 く春む所 有 猶 行 こと二三 里奈れどもいゑ
於本 ところあり奈本ゆく 尓さんり
おおくすむところありなおゆくことにさんりなれどもいえ
(大意)
(どこ)だろうかと皆陸にあがり、人家を探し
たが、いっこうに人さえ見つからず、ただ見たこともない草木
が岩の上に茂り、たくさんの藻屑が梢にからまっていた。
岩のすきまというすきまの穴からは水が流れ伝わり、魚など
が多く住んでいるところがあった。なお二、三里行ってみたが家
(補足)
「奈るらん」、「ら」はただのつなぎ記号とかしてしまっています。そのすぐ左「さら尓」も同様。
「陸」(りく)を「くが」とも読むのですね。
「もとむ」、ここの「も」は一番下でクルッと左回りに斜め上にあがります。次の行の「連ども」の「も」は「し」のあとに、小さな「こ」を左側にかきます。さらに次の行の「毛く春゛」では変体仮名「毛」(も)で小さな「こ」+「ち」のような感じ。
大海を漂流し死者もだして、島に流れ着きはしたものの、どうも怪しい様子・・・、
さて・・・
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