2021年12月10日金曜日

桃山人夜話巻三 その31

P18前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

こ奈るらん登ミ奈\/陸  尓上 り天人 家越もとむ

                 く可゛     志ん可

こなるらんとみなみなくが にあがりてじんかをもとむ


連どもさら尓人 とてハ奈く只 見奈れぬ草 木

      ひと     多ゝミ   くさき

れどもさらにひととてはなくただみなれぬくさき


の岩 の上 尓茂 り天多 くの毛久春゛梢  尓可ゝ

 い王 うへ しげ  於本      こ春え

のいわのうえにしげりておおくのもくず こずえにかか


里岩 のひま\゛/尓ハ穴 有 天流  越つ多へ魚 奈ど

 い王        あ奈あり 奈可連    うを

りいわのひまび まにはあなありてながれをつたえうおなど


多 く春む所  有 猶 行 こと二三 里奈れどもいゑ

於本   ところあり奈本ゆく  尓さんり

おおくすむところありなおゆくことにさんりなれどもいえ


(大意)

(どこ)だろうかと皆陸にあがり、人家を探し

たが、いっこうに人さえ見つからず、ただ見たこともない草木

が岩の上に茂り、たくさんの藻屑が梢にからまっていた。

岩のすきまというすきまの穴からは水が流れ伝わり、魚など

が多く住んでいるところがあった。なお二、三里行ってみたが家


(補足)

「奈るらん」、「ら」はただのつなぎ記号とかしてしまっています。そのすぐ左「さら尓」も同様。

「陸」(りく)を「くが」とも読むのですね。

「もとむ」、ここの「も」は一番下でクルッと左回りに斜め上にあがります。次の行の「連ども」の「も」は「し」のあとに、小さな「こ」を左側にかきます。さらに次の行の「毛く春゛」では変体仮名「毛」(も)で小さな「こ」+「ち」のような感じ。

 大海を漂流し死者もだして、島に流れ着きはしたものの、どうも怪しい様子・・・、

さて・・・

 

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