2021年12月1日水曜日

桃山人夜話巻三 その22

P12後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

火越者く登いへども狐  の息 と同 じ橘    子可゛随  筆 尓

ひ        きつ年 いき 於奈 多ち者゛なし  春゛以ひつ

ひをはくといえどもきつねのいきとおなじたちば なしが ず いひつに


者゛さ\/ハ庭 鳥 の大 い奈る尓類 せりと志るせ里

      尓ハとり 於本    る以   

ば さばさはにわとりのおおいなるにるいせりとしるせり


犬 鳳 凰 登いふ毛の阿連登゛もいま多゛慥  奈ら須゛

いぬ本う王う              多し可

いぬほうおうというものあれど もいまだ たしかならず


(大意)

火をはくといっても狐の息と同じようなもので、橘氏の随筆には

「バサバサはにわとりを大きくしたものににている」と記している。

犬鳳凰とも言われているようだが、いまだ確かなことは不明である。


(補足)

「火越者く登いへども」、「ども」が一文字のようでわかりにく。この2行後の「阿連登゛も」では変体仮名「登」(と)に「゛」で「ども」。

「者゛さ\/ハ」、繰り返し記号「く」(縦書き)は2文字以上のとき、1文字では「々」が大まかな約束事。

 大きなにわとりのようなものが、または犬鳳凰と呼ばれるのだから、何がなんだかわからなくなります。特に悪さもしないようだし、まぁ次頁の画を見ることにしましょう。

 

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