P2後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
念 も己 れ尓出 る時 ハ可奈ら須゛己 れ尓帰 る与り
袮ん 於の いづ とき をの 可へ
ねんもおのれにいずるときはかならず おのれにかえるより
外 ハ那しと志るべし子供 奈どハ数 多遍びを
本可 こども あま
ほかはなしとしるべしこどもなどはあまたへびを
もうちころしま多ハ生 殺 し尓春ること阿れども
奈まごろ
もうちころしまたはなまごろしにするkとあれども
其 心 無念 無想 奈れ者゛阿多をむくふこと奈し
曽のこゝろむ袮んむさう
そのこころむねんむそうなれば あだをむくうことなし
只 是 越見て恐 連ぬる者 尓取 附 多る例 ハま
多ゞこれ ミ 於曽 もの とりつき 多めし
ただこれをみておそれぬるものにとりつきたるためしはま
(大意)
(悪)念も、自分自身から出るときは必ず自分自身に帰ってくる
他はないものであると知るべきである。子どもなどはたくさんの蛇を
なぶり殺したり半殺しにしたりすることがあるが、
彼らの心に邪念が何もないから仕返しされることはないのである。
ただ、これらの蛇が殺される様子を見て恐れをいだいた者に念が取り付いた例は
(補足)
「那しと」、いままで出てきた変体仮名「那」(な)のくずし方が少し異なっている形です。
「遍びを」、変体仮名「遍」(へ)を使ってます。同じ音がでてきたらなるべく異なる表現を使うようにしているこだわりがあるようです。
「阿多をむくふこと」、前頁にも出てきましたが、ここでもやはり「阿多」に濁点がありません。
「恐連ぬる」、「恐」と「思」のくずし字は似ています。「想」もやはり似ています。
蛇をいたぶり殺すのに子どもも大人もあるかい!と怒っている人がたくさんいるようにおもいます。
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