2021年12月26日日曜日

桃山人夜話巻四 その3

P2前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

ざる可゛ゆへ奈り登曽゛か多り伝 ふ其 ゆへい可尓とあ連

              つ多 曽の

ざるが ゆえなりとぞ かたりつたうそのゆえいかにとあれ


者゛こ奈多尓念 越残 春可゛ゆへ尓其 念 尓応 し天

      袮ん のこ      曽の袮ん 於う

ば こなたにねんをのこすが ゆえにそのねんにおうじて


来 る此 念 ハ毛のゝ心  を志り多る者 の多つこと阿

き多 この袮ん    こゝろ     もの 

きたるこのねんはもののこころをしりたるもののたつことあ


多ハざるとこ路奈り去 バ蛇 尓可ぎら須゛一 切 の悪

         され へび      いつさ以 あく

たわざるところなりさればへびにかぎらず いっさいのあく


(大意)

(とどめをささな)かったためであると語り伝えられている。その理由は

どうしてかというと、蛇がまだこちらに念を残しているために、その念の深さに応じて

現れて来るからである。この念は物事の道理を知り得ている者でも絶つことが

できないものである。それゆえ、蛇に限らず一切の悪(念)


(補足)

 いくらか読みにくく理解も難しいところです。何度も音読するうちに文節の区切りや言い回しの意味がわかってきました。

「来る」、次につながらずにここで切れます。

「とこ路奈り」、「と」の二画目が一画目よりずっと高い位置にあるので「己」のようにみえます。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿