P25後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
をいひ於ふせ須゛し天死せし人 の念 ハ可奈ら須゛と
し ひと 袮ん
をいいおうせず してしせしひとのねんはかならず と
も尓其 家 尓残 りとゞまりといふこといと浅 ましき
曽のいゑ のこ あさ
もにそのいえにのこりとどまりということいとあさましき
ことども奈り仁 義の道 尓明 ら可奈る時 ハ無事
志゛んぎ ミち 阿き とき ぶじ
ことどもなりじ んぎのみちにあきらかなるときはぶじ
の節 尓いひ置 ぬることミ奈遺 言 なれ者゛死期
せつ 於き ゆひごん しご
のせつにいいおきぬることみなゆいごんなれば しご
(大意)
を言い果たせずに死んだ人の念は必ず
その家に残りとどまるといい、たいへんに嘆かわしい
ことである。人としての道徳を見失ってなければ、普段の
生活で言い置いたことがみな遺言になるのだから死に際に
(補足)
「をいひ於ふせ須゛し天」、「を」を変体仮名「者」(は)、「い」を「ら」と読んで「はらいおおせず」と間違えてしまいました。変体仮名「者」(は)は「を」や「む」と形が似ているので注意です。
「人 の念 ハ可奈ら須゛とも尓」、変体仮名「奈」(な)が読みづらい。「とも尓」がよくわかりません。
「無事」、「無」のくずし字が難しい。
「いひ置ぬることミ奈」、「い」と「ひ」は間違えやすいですが、ふたつ並んで見比べてもやはりよくにています。「こと」は合字、2行前にもあります。「ミ」の3画目が「奈」に続いているのでちょっと悩みます。
「死期」、「後」のくずし字ではなく「期」(ご)のくずし字なので「死後」と間違えないように。
ちと耳の痛い説法を聞くようです。なるほど「仁義の道を明らかに」しておけばよいのですが、ウーン、なかなかねぇ。
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