2021年12月7日火曜日

桃山人夜話巻三 その28

P16後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

天笑 へり目も奈く鼻 も奈く耳 も奈く眉 も奈し

 王ら      者奈   ミゝ   ま由

てわらえりめもなくはなもなくみみもなくまゆもなし


只 口 のミあき天个゛ら\/と笑 ふる其 口 の大 き

多ゞくち           王ら  曽のくち 於本

ただくちのみあきてげ らげらとわらふるそのくちのおおき


さ箕の如 しと有 もろこし尓も可ゝる化 物 ハ有 尓や

 み こと  あり         バけもの 阿る

さみのごとしとありもろこしにもかかるばけものはあるにや


(大意)

(振り向い)て笑った。目もなく鼻もなく耳もなく眉もなかった。

ただ口だけをあけてゲラゲラと笑っていた。その口の大きさは

箕のほどもあった」。唐土(もろこし)にもこのような化け物はいるのであろうか。


(補足)

「可ゝる化物」、「ゝ」を変体仮名「多」(た)と読み間違えてしまいました。

「有尓や」、振り仮名「阿る」 の「る」はほとんど「゜」。変体仮名「尓」が英小文字筆記体「y」のようにあります。

 はやく歯黒べったりの画をみたいのですが、このあと3頁目になります。

 

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