2021年12月29日水曜日

桃山人夜話巻四 その6

P3後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

村 長 此 所  をとをり可ゝ里見天大 い尓恐 連

むら於さこのところ       ミ 於本  於曽

むらおさこのところをとおりかかりみておおいにおそれ


个れバ其 夜一 丈  者゛かりの蛇 村 長 可゛袮ま尓入

     よいちぜ う     へびむらをさ     いり

ければそのよいちじょうば かりのへびむらおさが ねまにいり


天枕  のもと尓息 越つきゐ多り村 長 大 い尓於ど

 まくら    いき      むらをさ於本

てまくらのもとにいきをつきいたりむらおさおおいにおど


路き天人 をして追 ハせ个る尓他の者 の目尓ハ可ゝ

   ひと   於ハ     た もの め

ろきてひとをしておわはせけるにたのもののめにはかか


(大意)

村長がちょうどそこを通りかかり、見て大変に恐れ

おののいた。その夜、一丈ばかりの蛇が村長の寝室に

入り枕元に息をついて居た。村長は非常に驚いて

人を呼んで追い払わせようとしたが、他の者の目には


(補足)

「とをり」、「と」が牛の角のようです。これ一文字だけだったら読めそうもありません。

「村長」の振り仮名が「於さ」「をさ」と異なっています。

「枕」(まくら)、「く」が「ム」のように平らです。

 村長たるもの村の子どもどもが蛇にそのような酷いことをしていたら、怒って説教しなければいけないとおもってしまうところですが、見過ごしてしまったための蛇のたたりかもしれません。 

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