P3前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
ゝ阿ること奈り東 武の東 在 所 さ可さいといへる村
とうぶ ひ可゛しざ以しよ むら
まあることなりとうぶのひが しざいしょさかさいといえるむら
尓天い奈りの宮 を建 る時 地を掘 天个れバ其
ミや 多つ ときち 本り 曽の
にていなりのみやをたてるときちをほりてければその
丈 一 丈 者゛かり奈る蛇 越本り出 し多り子ども多 く
多けいちぜ う へび い多゛ こ 於本
たけいちじょうば かりなるへびをほりいだ したりこどもおおく
集 りて是 越とらへ石 の上 尓天小刀 を以 てニ
あつま これ いし うへ こ可゛多奈 もつ 尓
あつまりてこれをとらえいしのうえにてこが たなをもってに
三 寸 づゝに切 竹 の串 尓さし天毛天遊 登せり
さん春゛ん きり多け くし 阿そび
さんず んずつにきりたけのくしにさしてもてあそびとせり
(大意)
たまにあることである。江戸の東の田舎にある「さかさい」という村
で、稲荷の宮を建てるときのこと地面を掘ってみると
身の丈1丈(約3m)ほどの蛇が出てきた。子どもがたくさん
集まってきて、この蛇を捕らえ石の上で小刀を使い2,
3寸ずつに切り、竹の串に刺してもて遊んでいた。
(補足)
「宮」というくずし字は「宀」に「五」のくずしじのような形のものがよく出てきます。ここでは「宀」の部分が「ミ」のようにして「乙」に点のようなかたちになっています。
「本り出し多り」、前行では「掘天」(本りて)と漢字でした。同じ表現はなるべく繰り返さない。
「遊登せり」、変体仮名「登」(と)が二文字に見えますけどこれで一文字。
「さかさい」がどの辺だろうと調べました。安藤広重「名所江戸百景 逆井乃わ多し」として描かれているくらい有名なところでした。現在の江戸川区。
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