P14 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
加多飛ら可゛辻
つぢ
かたびらが つじ
檀 林 皇 后 の御尊 骸 を捨 し故 尓や
多゛ん里んく王うごう ごそんがい 春て 由へ
だ んりんこ うごうのごそんがいをすてしゆえにや
今 毛折 ふしごとに女 の死可゛い見へ天
いま をり おん奈 し
いまもおりふしごとにおんなのしが いみえて
犬 烏 奈どのくらふさ満能見由るとぞ
いぬ可ら春
いぬからすなどのくらうさまのみゆるとぞ
いぶ可しき事 尓奈ん
こと
いぶかしきことになん
(大意)
かやびらが辻(帷子辻)
檀林皇后の御尊骸を捨てたからだろうか。
今も時折、女の死骸があるようで
犬やからすなどが食らう様子を見ることができるという。
どのようなことなのか気になることである。
(補足)
帷子辻の画が本文より先になりました。
「か多飛ら」の「か」は最初、平仮名かとおもいましたが、よく見ると変体仮名「加」でした。
振り仮名「多゛ん里んく王うごう」、変体仮名「里」と変体仮名「王」がにています。
「犬烏奈どのくらふさ満能見由るとぞ」、意味がわかってしまうとどうということはないのですが、「くらふさ満能」が何度か繰り返してやっと納得。「と」が合字の「こと」にみえますが、文意から「とぞ」。
「事」の振り仮名「こと」は合字。
今でも京都太秦に京福電車停留場の駅名に「帷子ノ辻」(かたびらのつじ)があります。
なぜ皇后ともあろうお方がそこに捨てられたのかは本文を。
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