P20P21 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
P20
阿可ゑいの魚
うを
あかえいのうお
P21
古農魚 楚乃
うを
このうおその
身の尺 三 里尓
ミ 多けさん里
みのたけさんりに
余 れり背尓砂
あま せ 春奈
あまれりせにすな
たまれ者゛をとさ
たまれば おとさ
んと海 上 尓う可へ
可いしやう
んとかいじょうにうかべ
里其 時 舩 人 嶋
そのときふ奈びとしま
りそのときふなびとしま
奈りと思 ひ舟 を
ふね
なりとおもいふねを
寄 連ば水 底 尓
よ春 春いてい
よすればすいていに
志川゛免り然 る時 ハ
し可 とき
しず めりしかるときは
浪 あらくして舩
奈ミ ふね
なみあしくしてふね
是 可゛為 尓破 らる
これ 多め やぶ
これが ためにやぶらる
大 海 尓多 し
多゛い可い お本
だ いかいにおほし
(大意)
赤えいの魚
この魚の体長は3里(約12km)をこえるという。
背に砂がたまると落とそうとして、海上に浮かび上がる。
そのとき船頭がそれを島だと思い、船を寄せると水底に沈んでしまう。
そのようなときは荒れるその波を受け、船はそのために壊れてしまう。
大海に多い。
(補足)
見開きです。小舟を寄せて数人が上陸?してますが、腰が引けて恐る恐るといった様子。ついでながら、上陸?箇所は赤エイ鼻先の右側あたりでしょうか。二人の右斜め上に赤エイの右目があります。左目はその右斜下綴じ目の右側です。のように見えるのですがいかがでしょうか。刺し身が何人前というちっぽけなたとえなど消し飛んでしまうくらいのはなしで、いいですねぇ。まぁ、実際日本列島周辺の島などで、現れては消えるというのがあったようですから、あれは実はでかい魚なんだよと言い始めた漁師がいてもなんの不思議もありません。
「古農魚楚乃」、最初に読めるのは「魚」、次が変体仮名「乃」。他の三文字は変体仮名を学んでいないと苦しい。
「海上尓う可へ里」、(うかへり)って何だろうと悩みますが、「べ」とすればなるほど~。
「志川゛免り」(しずめり)。いろいろな変体仮名がでてきます。
「然」、ここのくずし字は「灬」が旁のほうに移動してしまってます。
「冂」が文章の終わりとさらにその左側にあります。沖を航行する帆掛け船が2隻のようにも見えます。
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