2021年10月6日水曜日

桃山人夜話巻二 その9

P5 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

豆 狸

まめ多゛ぬき

まめだ ぬき


小雨 ふる夜者

こさめ  よ

こさめふるよは


陰 嚢 を可つきて

ゐんのう

いんのうをかつきて


肴  を求 免尓

さ可奈 もと

さかなをもとめに


出 るといふ

いづ

いずるという


(大意)

豆狸

小雨の降る夜は

陰嚢をかついで

肴を求めに

あらわれるという。

(補足)

 画像は白黒なのでどことなく暗く感じますが、元絵は色彩画で陰嚢のうしろは淡紅色の花と緑鮮やかな葉であります。絵に悲壮感など微塵も感じられません。陰嚢のひだは花と同じ色が彩色され毛のいっぽん一本がとてもリアルでちと不気味といえば不気味。小雨の描き方は定番の方法(雨の筋をすべて平行には描かない)ではありません。

「夜」の次は変体仮名「者」(は)、変体仮名「盤」(は)のどちらでしょうか?

豆狸の持つ帳面は「又道通」のようにみえますがさて?

 

0 件のコメント:

コメントを投稿