2021年10月28日木曜日

桃山人夜話巻二 その31

P21前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

食  を阿多へ須゛遂 尓病  登奈りて餓 死尓し多り其

志よく      つい やまひ    うへじ    曽の

しょくをあたえず ついにやまいとなりてうえじにしたりその


後 四十 九日 目 尓当 りて其 家 尓天薪  を割 个る可゛

のち志ゞ うく尓ちめ 阿多  曽のいゑ  多きゞ 王り

のちしじゅうくにちめにあたりてそのいえにてたきぎをわりけるが


男  の与き越ふり上 多るうし路越其 妻 の通 り可ゝり

をとこ      阿げ      曽のつま とを

おとこのよきをふりあげたるうしろをそのつまのとおりかかり


し越志ら須゛し天過   て妻 可゛頭  のうしろ尓阿て多り

        阿やまち つま  可うべ   

しをしらず してあやまちてつまが こうべのうしろにあたりて


(大意)

(子に)食事を与えずついには病気になって餓死してしまった。

その後、四十九日目に当たる日のこと、その家で薪を割っている

男が斧を振り上げたちょうどそのときに妻がうしろを通りかかった

ことに気づかず、過って妻の頭のうしろに斧を当ててしまった。

(補足)

「餓死尓し多り」、「餓」は振り仮名があるからと手抜きしたような感じ。「し」が虫食いと重なりました。

「四十九日目」、振り仮名「志」のほうに「゛」がついてしまってます。

「よき」、斧(おの)、手斧(ておの)

「通り可ゝり」、「ゝ」があります。

 

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