P4後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
天世尓伝 へり其角 可゛筆 の春さミ尓此 こと越
よ つ多 き可く ふで この
てよにつたえりきかくが ふでのすさみにこのことを
書 し天志可も宝 普 斎 の者し書 越曽え多里
しよ 本う志んさい 可゛き
しょしてしかもほうしんさいのはしが きをそえたり
魯山 可゛座しきと思 ひしハかの豆 狸 可゛陰 嚢 尓
ろさん ざ 於も まめ多ぬき きん多満
ろさんが ざしきとおもいしはかのまめだぬきが きんたまに
志天発 句の脇 越附 多るも怪 し可り个る事 どもなり
本つく 王き つけ あや こと
してほっくのわきをつけたるもあやしかりけることどもなり
(大意)
して世に伝えた。(俳諧師の)其角が筆の手慰みにこのことを
書いて、しかも宝普斎の名で端書きを添えている。
魯山が座敷とおもっていたのはかの豆狸の陰嚢で
あり、魯山の発句の脇を豆狸が附けたのも怪しい事どもである。
(補足)
「書」のくずし字は簡略化されすぎていて、このままおぼえるしかありません。
「かの」、平仮名「か」はたまに出てきますが、「み」はほとんどが片仮名「ミ」。
「事」は異体字「叓」、「古」+「又」。
わたしもそんな座敷に招かれてお茶のひとつもご馳走になってみたい。
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