2021年10月1日金曜日

桃山人夜話巻二 その4

P2後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

里折 可ら八 畳  間の座しき奈り个れバ魯山 と里

 をり  者ちぜう ま ざ       ろさん

りおりからはちじょうまのざしきなりければろざんとり


阿へ須゛

あえず


八 畳  越月 尓目の里の春まひ可南

者ちせう  つき 免     

はちじょうをつきにめのりのすまいかな


登有 个れバ主 人

 あり   志由じん

とありければしゅじん


雨 の婦る家の阿き能造 作

阿免   や    ざうさく

あめのふるやのあきのぞうさく


(大意)

(おこなった。)折しも(ちょうどそこは)八畳間の座敷だったので、魯山はとり

あえず、

 八畳を月に目のりのすまいかな(この八畳間は月見ができてよいおすまいですね)

と(発)句を詠むと、主人は

 雨のふる家のあきの造作(雨が降ると雨漏りのする古家で、空き家同然の秋向きの造作ですよ)

(補足)

「と里阿へ須゛」、「と」がわかりにくい。

「月尓目の里の」、言葉の感じとして「月見をするのに」とはなんとなくわかりますが、文法的に解説するとなるとわかりません。

今まであまり目にすることのなかった変体仮名がたくさん出てきてます。「免」(め)、

「南」(な)、「婦」(ふ)、「能」(の)など。

 

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