P20後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
業 病 登も云 べき可何 連尓もミづ可らの悪心 与り
ごうびやう いふ いづ あくしん
ごうびょうともいうべきかいずれにもみずからのあくしんより
引 出 春病 奈り此 こと毛路こし尓もありむ可し
ひきい多゛ や満い この
ひきいだ すやまいなりこのこともろこしにもありむかし
日 本 尓も下 総 の国 千葉 という所 尓継 母 ありて
尓つ本ん 志もふさ く尓ち者゛ ところ まゝ者ゝ
にっぽんにもしもふさのくにちば というところにままははありて
己 れ可゛うミの子のミ越愛 し天先 妻 の子耳
をの あ以 せんさ以 に
おのれが うみのこのみをあいしてせんさいのこに
(大意)
やはり業病と云うべきなのかもしれんない。いずれにしてもみずから悪いことを
しようという心より引き出される病である。この病は唐土(もろこし)にもあり、昔
日本にもあった。下総の国、千葉というところに継母がいて、
自分が産んだ子どもだけを愛して、先妻の子に
(補足)
「ミづ可らの」、「ミ」の三画目が流れています。
「毛路こし」、たびたび出てきているのでお馴染みです。
「先妻の子耳」、変体仮名「耳」(に)はあまりおめにかかりません。めずらしい。たいていは「尓」「丹」「仁」など。
読んでいると「頭脳唇(ふたくち)」はもしかしたら、本当にいたのかもしれないと、いるのかもしれないと・・・でも女としているところが気になる。継父(ままちち)、ーーーこの読みは英語のママと日本語の父が一緒になっているのでニヤリとしてしまいますーーーだっているはずで、そうすると長い髪の毛が蛇のようになって食べ物をはこべなくなり、怖さが半減してしまう。このあとこの話はどう展開するのか?
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