2021年10月24日日曜日

桃山人夜話巻二 その27

P19前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

文 明 の比 那曾の和太郎 登天郷 士有 厩  のうへ尓旧

ぶんめい ころ奈曽 王多らう  ごうしありうまや    ふる

ぶんめいのころなそのわたろうとてごうしありうまやのうえにふる


き与り春む鼠  有 个る可゛害  奈き故 尓代  々 捨 置 多里

     袮づミ阿り    可゛い  ゆへ 多゛以\/春て於き

きよりすむねずみありけるが が いなきゆえにだ いだいすておきたり


夜 ハ表 家尓移 り天猫 と交  りを奈春尓猫 も更

よる 於もや うつ  袮こ まじハ     袮こ さら

よるはおもやにうつりてねことまじわりをなすにねこもさら


尓是 と争  ハ春゛此 猫 子越五 ツうミたる後 毒 越くら

 これ 阿ら曽   この袮ここ いつ     のちどく

にこれとあらそわず このねここをいつつうみたるのちどくをくら


(大意)

文明の頃、那曾の和太郎という郷士がいた。厩(うまや)の上に昔

から住む鼠がいたが、被害がないので代々そのままにしておいた。

鼠は夜に母屋にやってきて猫とともにすごすのだが、とくに猫も

いやがることはなかった。この猫は子を五匹生んだあと毒を食らって

(死んでしまった)


(補足)

 綴じ目にかかっていて振り仮名が読みづらいですがなんとか・・・

「比」(ころ)は「頃」もありますがこちらのくずし字は右側がもっとグニャグニャとしてます。

「郷士」、「郷」のくずし字だけで覚えようとしないで、「郷士」セットで覚えます。

「捨置多里」、ここも「捨置」セットで覚えたほうがよさそう。「置」のくずし字は6行あとにもあります。「多里」を「多らむ」と読んでしまいました。

「うミたる」、平仮名「た」。

 

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