P7前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
第 十 一 山地乳
多゛い志゛ういちや満ちゝ
だ いじゅういちやまちち
山地乳 と云 ハ蝙 蝠 の功 越へ天野衾 と奈り其 物 又 年
や満ちゝ こうもり こう のぶ春満 曽のものま多とし
やまちちというはこうもりのこうをへてのぶすまとなりそのものまたとし
を遍天怪 異の形 と奈り山 尓隠 れ春む故 山 ちゝと云 と
く王いゐ 可多ち や満 可く ゆへや満 いふ
をへてかい いのかたちとなりやまにかくれすむゆえやまちちというと
楚゛深山 尓ハさとりかひと天ひとの袮いき越う可ゞひ与り
ミや満
ぞ みやまにはさとりかいとてひとのねいきをうかがいより
(大意)
第十一山地乳
山地乳というのは蝙蝠が年の功をかさね野衾(ムササビorももんが)となり、さらにそれがまた年をへて化け物の姿となり、山に隠れ住むため山ちちと云うことである。深山では「さとりかい」といわれ、人の寝息をうかがい、
(補足)
「山地乳と云うハ」、「乳」の次が「ミ」にみえますが、「と」の次は「云」の一画目の短めの横棒につながってます。4行あとにも「死春と云習ハせり」と同じつながりで出てきてます。次行にも「と云と」がありますが、こちらははっきり「と」と「云」が区別できます。
「野衾」の漢字のイメージからは可愛らしいくて空を滑空するムササビやももんがと結びつきません。
「う可ゞひ」、「う」と変体仮名「可」(か)のかたちはほとんど同じなので、悩む箇所です。
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