P11後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
迄 も附 来 る俗 尓天 狗 のミあ可しとも老 人 の火共
まで つきゝ多 曽゛く てん久゛ らうじん ひとも
までもつききたるぞ くにてんぐ のみあかしともろうじんのひとも
いへり山氣 とも奇鳥 の息 也 ともいひ伝 へてい尓し
さんき きてう いき つた
いえりさんきともきちょうのいきなりともいいつたえていにし
へより何 と定 多るせう こも奈く里 民 も志らざる也
奈尓 さ多゛め さとひと
えよりなにとさだ めたるしょうこもなくさとびともしらざるなり
(大意)
(どこ)までも付いて来る。俗に「天狗の御明かし」とも「老人の火」とも
いう。また山中の気とも珍しい鳥の息であるとも言い伝えられていて、ふるく
よりこれが何ものであるのか確定する証拠もなく、里の人々もわからないのである。
(補足)
「附来る」の振り仮名(つきゝ多)の「ゝ」をよみおとしそう。
人魂や狐火など火にまつわる怪奇ものはたくさんあります。巻一には野宿火がありました。今回の火の名前は「老人」がつきます。このいわれを知りたいものです。
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