2021年10月15日金曜日

桃山人夜話巻二 その18

P11後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

迄 も附 来 る俗  尓天 狗 のミあ可しとも老 人 の火共

まで つきゝ多 曽゛く てん久゛        らうじん ひとも

までもつききたるぞ くにてんぐ のみあかしともろうじんのひとも


いへり山氣 とも奇鳥  の息 也 ともいひ伝 へてい尓し

   さんき  きてう  いき      つた

いえりさんきともきちょうのいきなりともいいつたえていにし


へより何 と定   多るせう こも奈く里 民 も志らざる也

   奈尓 さ多゛め         さとひと

えよりなにとさだ めたるしょうこもなくさとびともしらざるなり


(大意)

(どこ)までも付いて来る。俗に「天狗の御明かし」とも「老人の火」とも

いう。また山中の気とも珍しい鳥の息であるとも言い伝えられていて、ふるく

よりこれが何ものであるのか確定する証拠もなく、里の人々もわからないのである。

(補足)

「附来る」の振り仮名(つきゝ多)の「ゝ」をよみおとしそう。

人魂や狐火など火にまつわる怪奇ものはたくさんあります。巻一には野宿火がありました。今回の火の名前は「老人」がつきます。このいわれを知りたいものです。


 

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