P13 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
讃岐 の手洗 ひ鬼
さぬき てあら 於尓
さぬきのてあらいおに
讃 州 高 松 より丸 亀 へかよふ
さんしう 多可まつ まる可゛め
さんしゅうたかまつよりまるが めへかよう
入 海 阿り其 間 の山 々 三 里
いりうミ そのあい多゛ やま\/さんり
いりうみありそのあいだ のやまやまさんり
をま多げて手を阿らふ
て
をまたげててをあらう
ものあるよし
ものあるよし
名ハい可ゞ尓や
奈
なはいかがにや
知ら春゛たゞ
しらず ただ
讃岐 の
さぬき
さぬきの
手あらひ
て
てあらい
鬼 といふ
於尓
おにという
(大意)
讃岐の手洗い鬼
讃州高松より丸亀へつうじている
入海がある。その間の山々、三里を
またいで手を洗う
ものがあるという。
名は何というか
知らない。ただ
讃岐の
手洗い
鬼という。
(補足)
昔、キャンプに行くとキャンプファイヤーを囲んで出し物や歌を楽しんだものです。そのときの定番ソングに「鬼のパンツ」というのがありました。昔話「桃太郎」の鬼退治でも鬼のパンツは見ることができますが、今まで見た中ではこの手洗い鬼のこのパンツが飛び抜けて一番であります。
上下逆さにしてみると、なおいっそうこのパンツに親近感が湧いてきます。
海水をすくって飲もうとしている両手や岩に踏ん張る右足の指が阿吽の仏像の力強さをみるおもいがします。
綴じ目になってしまって「讃岐の手洗ひ鬼」のふりがなが読みづらいですが「さぬき てあら 於尓」です。
「州」のくずし字はここのは「刀」が三つ。
「かよふ」、ほとんどは変体仮名「可」(か)ですが、ここは平仮名。
「間」のくずし字は特徴的。「門」が「冖」のようになってます。
「ま」の中間がきれてます。
「たゞ」、「た」もたいていは変体仮名「多」(た)です。
題の「讃岐の手洗ひ鬼」や「手あらひ鬼」の「ひ」が「い」ににてますが、ちょうどすぐ左の行に「いふ」があります。比較すると「い」のほうが丸い感じ。
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