P.9 , P.10
(読み)
[つゝき]
おしやふり
おしやぶり
いぬさるきじも
いぬさるきじも
ともゞ ミ多連
ともどもみだれ
いり个んぞくの
いりけんぞくの
お尓をこゝ可しこへ
おにをここかしこへ
おひつめ多いじ
おいつめたいじ
奈し个る[次へ]
なしける
(大意)
押し破り、犬猿雉と一緒に乱れ入り
鬼の一族を、あちらこちらへと追い詰め
退治してしまいました。
(補足)
P.9 は文章はなく、背中にしょった旗指物(はたさいもの)の桃太郎の独壇場。
歌舞伎そのものです。
鬼から奪ったのか、金棒、右手にかかえ見栄をきり、「いよっ 桃太郎!」と聞こえてきそう。
下に見えるは、白いカワウソではなく、お供の犬。たすき掛けにしている黄色の紐がきまってる。
色使いも賑やかだけど、しっかり描きこんでいます。
P.10 は松に猿と雉。
猿は紫色のたすき掛け、雉はなんやら首の周りに紫色の、これはなんでしょう?
「やふり」(やぶり)、読みにくい。
「多いじ」、「い」が?
「奈し个る」、「な」も上部が欠けてしまった?
P9,P10見開き。
右上、桃太郎の背後の赤が強烈です。その対の左下にはお供の3匹。
そして、鬼ヶ島の崖上の松と、遠くに海。
遠近をうまく描いています。