P.14
(読み)
うしろ尓おりを奈じうんどう
うしろにおりおなじうんどう
する奈り
するなり
八 前後投脚
はち ぜんごとうきゃく
か多あし尓てしよ
かたあしにてしよ
く尓毛多連から多゛ととも尓
くにもたれからだ とともに
ぜんごへふる奈り
ぜんごへふるなり
九 左右投脚
きゅう さゆうとうきゃく
お奈じく志天さ由
おなじくしてさゆ
うへふりだ春奈り
うへふりだすなり
(大意)
後ろに折り同じ運動をする
八 前後投脚
片足で机に
もたれ体とともに
前後へ振る
九 左右投脚
同じように
左右へ振り出す
(補足)
一行目「を奈じ」は九では「お奈じ」と「を」と「お」の使い分けはあまりなさそう。
八の「か多あし尓て」の次が「志よく尓」(しょくに)と読めるのですが意味がわかりません。
図からは机にもたれてるので机か何かでしょうか。
P.12の四で出だしが読めなかったのですが、ここに同じ文字がありました。
「毛多連」(もたれ)、の変体仮名「毛」(も)です。また変体仮名「連」(れ)もこの版木では特徴的です。
版木でも古文書でもわからなかったら読みとばして、まずは全体の意味を理解するのが先決です。
それから前後関係などから読みを類推してゆきます。
今回の場合のように、読みすすめてゆくうちに同じ文字があらわれることはよくあるので、不明だった文字が解決することも多いです。
九の説明文がこれまた、これ以前ではそうしているのにどうして単純な表記にしないのか、悩むところ。
「お奈じく志天」(おなじくして)、普通に平仮名の「して」にすればよいではありませんか。
ましてや、この教本は「小学必携体操図解」とあるように「小學」なのです。
と、不満たらたら述べてもどうしようもありません。
八で左手の支えになっている机について。
脚の部分も立体的に描き、脚と幕板(まくいた)(机の天板or甲板(こういた)をのせている支えとなっている部分)の接合部分が留め(45度の接合)になっているのも正確に描いています。
木工セミプロとしては感心します。
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