2020年3月31日火曜日

豆本 桃太郎噺 その12






 P.9 , P.10

(読み)
[つゝき]
おしやふり
おしやぶり

いぬさるきじも
いぬさるきじも

ともゞ ミ多連
ともどもみだれ

いり个んぞくの
いりけんぞくの

お尓をこゝ可しこへ
おにをここかしこへ

おひつめ多いじ
おいつめたいじ

奈し个る[次へ]
なしける


(大意)
押し破り、犬猿雉と一緒に乱れ入り
鬼の一族を、あちらこちらへと追い詰め
退治してしまいました。


(補足)
P.9 は文章はなく、背中にしょった旗指物(はたさいもの)の桃太郎の独壇場。
歌舞伎そのものです。
鬼から奪ったのか、金棒、右手にかかえ見栄をきり、「いよっ 桃太郎!」と聞こえてきそう。

 下に見えるは、白いカワウソではなく、お供の犬。たすき掛けにしている黄色の紐がきまってる。

色使いも賑やかだけど、しっかり描きこんでいます。

P.10 は松に猿と雉。
猿は紫色のたすき掛け、雉はなんやら首の周りに紫色の、これはなんでしょう?

「やふり」(やぶり)、読みにくい。
「多いじ」、「い」が?
「奈し个る」、「な」も上部が欠けてしまった?


P9,P10見開き。



 右上、桃太郎の背後の赤が強烈です。その対の左下にはお供の3匹。
そして、鬼ヶ島の崖上の松と、遠くに海。
遠近をうまく描いています。


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