P.6
(読み)
「お連ハお尓可し満へ
「おれはおにかしまへ
多可らものを
たからものを
とり尓ゆく
とりにゆく
「おこし
「おこし
尓さ
にさ
げ多る
げたる
ハ奈ん
はなん
でござり
でござり
ま春「こ連ハ
ます「これは
尓つ本゛ん一 のきミ
にっぽ んいちのきみ
多゛んご一 ツく多゛さいおとも
だ んごひとつくだ さいおとも
い多しま志ようといふゆへ[次へ]
いたしましょうというゆえ
(大意)
「おれは鬼ケ島(おにかしま)へ宝物をとりに行く」と答えました。
「お腰に下げているのは何でございましょうかと」問われ、
「これは日本一の黍団子」と答え、
「ひとつくださればお供いたしましょう」と言うので、
(補足)
この頁の話は次頁の絵の内容になっています。
鎧兜(よろいかぶと)は身につけてないものの、立派な若武者姿に育ち凛々しい。
五月人形にありそう。
この部分の会話は童謡桃太郎の1,2,3番の歌詞と同じです。
会話で使うカギカッコ「」ですが、最初の「 だけで終わりの 」がありません。
次の会話の始めの「 がそれもかねているのかもしれません。
桃太郎が「俺(おれ)」といっているのが、身近に感じます。
「尓つ本゛ん一のきミ多゛んご」、明治のこのときにはまだ半濁音の表記がなく「本゜」とはなってないようです。調べればすぐわかることなのですが。
「きびだんご」も「きミ」となってます。
「一ツく多゛さい」のところ、カギカッコ「 がありませんが、忘れたのかも。
P5P6見開き。
見開き全体でながめると、婆さんと桃太郎が視線をあわせ、爺さんはセッセと黍団子を丸めてます。3人の親密感が伝わってきます。
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