P.7
(読み)
[つゝき]きミ多んごを
きみだんごを
多くさんあ多へ个連バ
たくさんあたえければ
いつ連も大 起尓
いづれもおおきに
よろこび个るもゝ
よろこびけるもも
太郎 ハいぬさるき
たろうはいぬさるき
じをひ起つ連
じをひきつれ
お尓可゛し満尓い多り
おにが しまにいたり
見王多せバ
みわたせば
者る可む可ふ尓
はるかむこうに
个んご奈るいし
けんごなるいし
もんを可まへ
もんをかまえ
个んぞくども
けんぞくども
(大意)
黍団子をたくさん与えたところ
いずれも大変に喜びました。
桃太郎は犬猿雉を引き連れ
鬼ヶ島へ到着しました。
島を見渡したところ
はるか向こうに
堅固な石門を構え
眷属どもを
(補足)
「見王多せバ」、平仮名や変体仮名のなかに、「見」のくずし字があるとわかりにくものです。
次の変体仮名「王」(わ)があるので、(みわたせば)と類推できます。
「个んぞく」(眷属)、一族。ここでは鬼の一族。
雉の羽、猿の毛並み、犬のしっぽんなど、それなりに丁寧に描かれています。
雉は日本の国鳥です。
3匹のなかに選ばれたのはそれが理由かどうか?
さてさてどうなのでしょう。
空の赤縞模様は2頁の桃が流れてくる場面と同じです。
3匹はもちろん次頁の桃太郎を見つめています。
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