2020年1月12日日曜日

豆本 猫のはなし その6




 P.3

(読み)
とても
とても

この
この

とこ
とこ

ろ尓
ろに

てハ
ては

ふ多
ふた

里い
りい

つ志
っし

よ尓
ょに

ふう
ふう

ふ尓
ふに

奈る
なる

こともて紀奴由へあるよひそ可尓
こともできぬゆえあるよひそかに


(大意)
とてもこのところでは二人一緒に夫婦になることもできないので
ある夜、ひそかに


(補足)
 あわただしい雰囲気がなんともおかしく、いいなぁ~~。
こま「おこみ姉さん、ゴメンナサイ・・・」、
とら「きっと、きっと、こまをしあわせにしやすから・・・堪忍してくだせぇ」。
二人はおこみ姉さんのほうをふりかえりつつ、いそぎます。

 こまととら、顔形がそっくりで、色柄も同じです。似た者夫婦。
とらは紺の縦縞の着物に帯、刀を差して、裾を端折り、こまは赤い振り袖、手ぬぐいを頬被りし端を口でくわえる仕草、二人相携えイザかけ落ちです。
にゃんこなので足は裸足です。

 一行二文字づつが続きます。
1行目「とても」、「と」が「こ」にも見えてしまいますが、
2行目「この」、「こ」が「と」に見え、わかりずらく、
3行目「とこ」とふたつ連続すると、ようやく、出だしの一画目で区別できそうです。しかし、文章のながれの意味からどちらかなのかきめるのがよさそう。

「ふ多里いつ志よ尓」、こうして一行にするとすぐにわかりますが、二文字ずつでは大変。

「ことも」、3行目では「とこ」でしたが今度は逆で「こと」。
「て紀奴由へ」、「て」に濁点がありませんけど。「ゆ」、筆の流れをみると「ゆ」になってます。

文章のリズムが、声を出して読むと、「タタタッ、タタタッ、タタタッ・・・」になってます。


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