2020年1月9日木曜日

豆本 猫のはなし その3




 P.1

(読み)
こゝ尓
ここに

さる
さる

志んミち尓
しんみちに

可こひも
かこいも

のゝ
のの

おこミと
おこみと

いふものゝ
いうものの

うち尓こ満と
うちにこまと

いふて可゛いの
いうてが いの

ねこそのと奈り尓
ねこそのとなりに


(大意)
ここのさる新道に、囲い者のおこみという家に、こまという猫が飼われておりました。
その隣の、


(補足)
「しんみち」、新道。町家のあいだの細い道。小路。
「かこひもの」、囲い者。別宅などに住まわせておく女。妾(めかけ)。

助詞「尓」(に)が文章の区切りの目安になりますが、他はこれといった句切りはなく、前後を読みながら予想しなければなりません。

「ミ」(み)、なぜかはわかりませんが、「み」はカタカナ「ミ」がほとんどです。

猫の首にある、赤紐と鈴は、見返しの松にぶら下がっていました。

おこみさんの雰囲気がどことなく地味なのは気のせいでしょうか。
こまは両手をおこみさんの腿にのせ、にゃぁ~とないてるようです。


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