P.1
(読み)
こゝ尓
ここに
さる
さる
志んミち尓
しんみちに
可こひも
かこいも
のゝ
のの
おこミと
おこみと
いふものゝ
いうものの
うち尓こ満と
うちにこまと
いふて可゛いの
いうてが いの
ねこそのと奈り尓
ねこそのとなりに
(大意)
ここのさる新道に、囲い者のおこみという家に、こまという猫が飼われておりました。
その隣の、
(補足)
「しんみち」、新道。町家のあいだの細い道。小路。
「かこひもの」、囲い者。別宅などに住まわせておく女。妾(めかけ)。
助詞「尓」(に)が文章の区切りの目安になりますが、他はこれといった句切りはなく、前後を読みながら予想しなければなりません。
「ミ」(み)、なぜかはわかりませんが、「み」はカタカナ「ミ」がほとんどです。
猫の首にある、赤紐と鈴は、見返しの松にぶら下がっていました。
おこみさんの雰囲気がどことなく地味なのは気のせいでしょうか。
こまは両手をおこみさんの腿にのせ、にゃぁ~とないてるようです。
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